たまには伸びてもええんちゃう?

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 朝五時、起床。起きたらすぐに洗面台へ向かいサッと顔を洗って完全に目を覚ます。  それから朝食を食べ終わるとすぐに学校へ行く準備をして、一応世の中の出来事を知るためにスマホでニュースを一通り確認する。  朝七時に家を出てまだ通学ラッシュ前の電車に乗って学校へと向かう途中、今日の授業の教科を頭の中で予習して電車を降り、常に完璧の状態で学校へ登校するのが私、相田(あいだ) 結花(ゆか)のルーティンだ。  夏休みも終わり、そろそろ秋を感じる頃かなと思いながら学校へ到着した。  学校へ着いてからも気は緩めない。靴を綺麗に揃えて靴箱へ入れ、三階にある教室まで早足で行く。誰もいない一番乗りの教室が好きだ。  窓の外からどこかの部活がやっている朝練の声に反応した私はついつい窓際に立ち声がする方を眺めた。  すると三階の私がいる教室に向かって両手を上げ大きく手を振っている男子がいる。なんだか目があった気がして慌てて窓際から離れた。  きっと他の誰かに手を振ったのであって決して私ではない。大きく深呼吸して乱れた心を落ち着かせ、通常モードに戻った。  そろそろ教室に人が来る時間になり私は自分の席に座って黙々と教科書を眺めた。周りのクラスメイトはSNSだのお気に入りのネット配信だの朝からテンション高々に会話をしている。  まぁ、ぼっちの私には関係ない話だけど。毎朝黙々と予習しているおかげで成績も完璧だ。
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