東森栄二

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 太田から電話がくる1時間ほど前、栄二の部屋に遊びにきていた窪田はこたつの上に冊子を広げてため息をついていた。  テストも終わり、お互い時間ができることもあってアルバイトを探そうという名目であったが、すでに飽きはじめていた。  「なんだかもうめんどくさくなってきちゃったなぁ、やっぱりバイトすんのやめて遊ぼうかなぁ。全然いいのないやん。栄ちゃんなんかいいの見つけた?」  窪田の問いに首を振りながら栄二もまた、ため息をついていた。栄二たちは高校生でお小遣いも少なかったため、アルバイトの情報誌も無料のものしか用意なかったこともあり、選択肢は狭くなっていた。  はぁと大きく息を吐き出して、栄二は寝転んだ。え?探すの辞めるの?と聞きながら窪田もまた寝転んだ。上からこたつを見た景色はLになっていた。  「今日寒いよね、雪が降ってるしさぁ。こんな日はこたつが一番いいよね〜  僕、めちゃくちゃこたつ好きやねん」  窪田はこたつの中に潜り込みながら言った。あ、寒かった?ごめんなと栄二はエアコンを入れるため立ち上がろうとしたが、こたつの中から窪田の手が出てきてスウェットをひっぱった。  「ううん、大丈夫だよ。座っときー」
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