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栄二と窪田は今年から同じクラスメイトになっており、付き合い自体はそこまで長いわけではなかったが、家が近いこととお互い地味な印象でなんとなく波長が合い、とても仲良しであった。
栄二は何をするにも卒なくこなし、スポーツもうまかったがいかんせん地味なため、目立つことがなかった。
一方で窪田は、コロコロしておりスポーツが苦手だったが独特な考えかたをする生徒であり、栄二や他のクラスメイトを笑わせることは得意だった。
「そういえばさ、栄ちゃんってさ、結構モテてるよ?」
こたつの中の声を聞いて、栄二は口をあんぐりとあけた。
「はぁ?なんやねんそれ、俺がモテてるわけないやんけ。自分が地味だっていうのは俺が一番わかっとるわ。」
「いや、ホンマやで!隣のクラスの女子が栄ちゃんがバスケやってるの見て、ヒガシときめくわーっていってたよ!」
栄二はうそつけー!っとこたつ布団をめくって、窪田のほっぺを軽くつねった。
「や、ほんとだよ。僕、選択授業で女子と一緒になること多いんやけど、昨日言ってたよ。」
ほっぺたをつねられた窪田は、もー痛いよ栄ちゃんって笑いながら怒っていた。
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