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しばらく沈黙が流れた。栄二は初めて味わった快感の余韻と、コロコロ顔を汚してしまった罪悪感で頭がいっぱいになり、なんて声をかけようか迷っていた。はぁ… はぁ… と解放した直後の息遣いで窪田を見ていた。
「おい、大丈夫か? なんか水みたいな変な音聞こえたけど? おい? おい?」
携帯から太田の声が聞こえる…聞こえる。はっ!
「あ、幸三、あとでかけ直す。すまんな」
栄二は携帯を切った。先に動いたのは栄二だった。近くにあったティッシュで窪田の顔を拭いてあげた。
「大丈夫か窪ちゃん、なんかごめんな?早く顔洗っておいで」
「栄ちゃんごめん。僕…」
「いいから早く洗ってこいよ。俺は大丈夫やから、な?」
栄二は笑顔でそういうと窪田は自分の鞄を持って玄関に向かった。あ…窪ちゃん!と栄二も追いかける。
「また明日な窪ちゃん。明日にはバイトきめよーな」
窪田は振り返って頷いた。
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