中間雄輔

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 きゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅん  一緒の名前なんだぜって、眩しい笑顔で言われた山下は全身の毛穴が開くのを感じた。そして、なぜか下腹部が熱くなってきていた。これは…初めての感覚だった。  山下にとって地獄だった体育の授業は、中間とのペアストレッチによって、とっても楽しい時間へと変わった。  もちろん、まだまだ中間に気を使っていたが、一緒に手を繋いだり、背中を合わせたりしながら話をしているこの時間は、転校してきて初めて幸せな時間となっていた。  体育の時間も終わり、山下は体操着を脱いでいる時、気づいたらもっとやりたかったなぁと口に出してつぶやいていると、なぁ、と中間が山下に近づいてきて言った。  「今度お前んとこに遊びに行っていいか?」  うんうん、ぜひ来て!必ず来て!絶対来て!と、興奮気味に中間に伝えていた。鼻息荒く返事した小太りは、さっきの体育の時間中、中間の家と近いことが判明していたんだったことを思い出していた。
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