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「白浜って、野球部のマネージャーのあいつだよな?あいつ、この前、うちの部の中間雄輔に告白してたぞ?」
「え、まじで?じゃあいつら付き合ってるのか??」
玉井は顔色を変えてその場に崩れ落ちていた。山下も離れた場所で同じように崩れ落ちていた。人は違えど、この時の2人は同じ心境であったであろう。
まぁ中間だしなぁ、あいつなら完敗だなぁ〜次探せよ〜と吉川が玉井の肩を叩きながら励ましていると、中間雄輔本人が通りかかった。
「ん?なんか俺のこと呼んだ?俺の名前が聞こえた気がしたんだけど?」
中間は部活にいく途中だった。
どーしたんだ?と吉川に聞いても、首をかしげてはぐらかしていた。仕方なく中間は玉井の前にしゃがみこんで聞いてみた。
「おい、大丈夫か玉井?」
玉井の目の前には中間が脚を開いて座っていた。玉井は中間の顔を睨みつけて、がら空きの股間を殴った。
「中間、お前さぁ、白浜亜矢と付き合ってるんだってな?」
玉井のパンチはクリーンヒットしたらしく、中間は前を押さえて倒れ込んだ。中間はなんのことかわからず、ただ、玉井のものすごい剣幕に驚いていた。
遠くで様子を見ている山下は、思いがけず登場した中間に目をキラキラさせ、心臓を鳴らしながらさらに集中して見守るのであった。
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