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次の日、山下は中間と一緒に帰った。遊歩道を並んで歩きながらするお喋りは、いつもと変わらない部活や先生やクラスメイトの話だったが、とっても楽しかった。
山下は、これからもこんな感じで過ごせたらなぁと心の中でため息をついていた。そして、そう言えばさぁ、と山下は前から思っていた疑問を中間に投げかけてみた。
「中間くんってさぁ、なんでそんなに優しくしてくれるの?僕なんて太ってるし、鈍臭いから、一緒にいたら恥ずかしいんじゃない?」
「えっ?」
突然の質問に中間は恥ずかしい!?と驚いたように繰り返したが、少し考えてから
「友達だからだろ?俺たち。」
と照れくさそうに答えた。山下はそっか、そうだねありがとと口角をあげてみせた。
でも、恋人にはなれないんだもんね。当たり前だけど……。
山下は心の中で100%喜べなかった理由をつぶやいていた。
間近で見るイケメンの横顔は、いつもよりキラキラしていて凄く眩しかった。
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