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山下の家ではテレビゲームをして遊んだ。中間は運動神経は良かったが、このようなゲームはあまり上手くなかったらしかった。
自分の好きな人が、すぐそばで苦手なものに一生懸命取り組んでる姿をみて山下は微笑んでいた。
「あーまた負けたー。お前強いなぁ。」
中間がコントローラーを置いて、テレビから右に視線を移すと、すぐガラス玉のように大きな瞳があった。
ちゅっ
山下は中間の唇にキスした。
わああああああああ!と中間は思わず後ろに飛び退いた。え、なに?え、なになに?と顔を赤くして混乱している様子だった。
「お、おれ…… ごめんっ!」
中間はそう言ってカバンを持って走って外に出ていった。
山下は目をつぶって自分の唇を手のひらで触って感触を確かめながら、涙を流していた。
「これで、いいんだよ。当たり前だよ。並んで歩くくらいで良かったのに…ぼくのばか。」
走って家に帰っている中間は、家につくとまずシャワーを頭からかぶっていた。なんだかよくわからない熱を冷やしていた。
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