中間雄輔

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 山下は、もう中間に話しかけられることはないだろうと覚悟をしていた。それくらいのことをやってしまったし、謝りたいけどもう口も聞きたくなくなっただろうと思っていた。  しかし、中間は次の日から普通に話しかけていた。あの日あったことには触れずに…。  そして、1学期の最終日。山下は中間のところに行ってお礼を言っていた。  「本当に今までありがとう。中間くんがいたから学校が楽しかった。僕なんかと一緒に遊んでくれてほんとにありがとでした。サッカー頑張ってね。この前のことはホントにごめ……」  この前のことはごめんなさいと言う、山下の言葉を遮って、中間は答えた。  「僕なんかとか言うなよ。もっと自分に自信を持てよ。俺だってお前と話してて楽しかったし、いなくなるのはさみしい。だから引っ越ししたら連絡くれよな」  山下は笑顔で頷いた。
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