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次の日の昼休み。男子の多数はサッカーをしに走って教室から出ていっていた。タム達3人に、同じクラスの卓球部の吉田義男を加えた4人は、サッカーには参加せず、雲梯がある広場に向かっていた。
雲梯の前に到着すると、智人が音頭を取った。
「じゃ、チーム分けするぞ!せーの、グーとパーで分かれましょ!分かれましょ!しょ!」
俺ガリレオと一緒か、よろしくな!と智人は元気よく吉田の肩を叩いた。吉田義男は、その名前からガリレオ・ガリレイみたいだなってことで、ガリレオと呼ばれていた。
さて、雲梯の前でグーパーしていた生徒たちがこれから行うのは、バトル雲梯と彼らが呼ぶ遊びだった。要は雲梯から手を離して地面に落ちたほうが負けという簡単で明快なルールである。よーいスタートで両端から雲梯で進み、出会ったところで落とし合う。
1回戦はヤンvsガリレオだ。
中学生にしては長身のヤンは、その長い手足を活かして、スイスイ前に進んでいた。
片やガリレオはずんぐりむっくりだが、握力には自信があった。のっしのっしと音が鳴るかのようにゆっくりとヤンに近づいていた。
ガリレオはヤンと対峙すると、右手を持ち手から離し、自分の鼻に持ってきた。そして、鼻を人差し指で持ち上げ、ブタ!ブター!ぶぅぶぅと、ヤンに向かって変な顔をした。
ガリレオの顔が元々、若干の豚っぽさがあることも相まって、ヤンはぷぷっと笑い出した。
更にガリレオは雲梯に両足をかけて、豚の丸焼き〜ぶぅぶぅ熱いぶぅ〜と追い打ちをかけた。
ヤンは堪らず笑い転げ、雲梯から手を離してしまったので、ガリレオの勝ちが決まった。
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