グエン・ルウ・タン・タム

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 放課後、智人とヤンとガリレオは一緒に行く約束で、学校の近くの公園で待ち合わせをしていた。智人とガリレオはひと足早く公園に付き、ヤンを待っていた。  「タムってどんな家に住んでるんだろ?」  「うーん… わからないけど、もしかしたら香辛料の臭いが充満してて、変な置物とかありそう。あと、家族は全員、額に宝石埋め込んでたりしてそうだな」  ガリレオのタムのイメージはそんなだったようだ。  「いや、それどっか違う国と間違ってんじゃね?」  智人がガリレオにつっこみを入れていると、ヤンも合流した。ヤンはタムの家に行ったことがあるらしい。付き合いが長いだろうから、道すがら、色々と聞いてみた。  「なぁ、タムの家って香辛料の臭いってする?」  「え?しないと思うけど、そんな臭いなんて気になったことないなぁ…」  「じゃあ、変な置物とかある?」  「え?置物かぁ。前に行った時、玄関に五月人形があったよ」  「タムの家族の人って、額に宝石埋め込んでる?」  いやいやそれ俺が妄想で言ってたことでしょ!とガリレオが逆につっこみを入れていた。  「ははは。お前ら面白いなぁ。タムの家って普通だよ。あの角を曲がったところだからもうすぐ着くよ」  ヤンは腹を抱えて笑いながら、案内していた。
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