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大下和茂(高校生時)
水泳部の男子って、いつも明るく笑ってて、みんな仲が良さそうに見えた。有本くんも、水原くんも大下くんもみんな手足も長くて、スタイルも良かった。
そして、いつもゴーグル焼けをしていて、パンダみたいな顔をしていた。その浅黒い健康的な肌は、いつみてもキラキラしてて眩しかった。
大下和茂くんは、マッシュボブでサラサラの髪の毛と、切れ長の目が特徴的でいつもニコニコしていた。少しハスキーな声で、今日も笑顔で僕に挨拶してくれた。
「おはよう奈生(なお)ちゃん。今日ちょっと放課後付き合ってくれへん?」
僕が食い気味にいいよって言うと、大下くんは笑っていた。一緒に読書感想文書こうって言われたけど、大丈夫かな。僕が一緒でジャマっけになったりせーへん?
じゃ、後でねと、隣の教室に入っていく後ろ姿をずっと見ていたいくらい、僕は大下くんのことが好きやった。もちろん、僕なんかが好きとかおこがましくて、言われへんけどね。
でも、こうやって声をかけてくれるくらい仲良くなったのは……
なんでやったかなぁ?忘れたなぁ。
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