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外はもう暗くなっていた。さすがにこれから用事を済ますことはできず、帰ることになった。
大下くんと並んで歩く帰り道は、特に変わった話はしていなかったけれど、とっても楽しかった。
「じゃあ、また明日ね」
僕たちは手を振ってわかれた。
次の日。1時間目は先生の都合で自習となっていた。僕が読者しようと本を取り出すと、吉田くんと濱崎くんが近寄ってきた。
「奈生ちゃんおはよー」
「お、おはよう」
僕は、ただ朝の挨拶をされただけなんだけど、何となく怖かった。吉田くん達は、髪の毛の色も黒くなかったし、シャツのボタンを胸まで開けていたし、匂いの強い香水もつけている様だった。あんまり人と話すことが得意ではなくて、特に吉田くん達みたいな、オラオラな男子は最も苦手としていた。
「昨日さ、2組の大下と一緒に帰ってたやんな?奈生ちゃんあいつと仲いいの?」
え、なんで知ってるの?なんでそんなこと聞くの?僕が大下くんと歩いてたら変ってこと?お前なんか1人で帰れよってことかな?
僕は、瞬時にマイナスのことばかり浮かんできて、オロオロしてしまった。
「もしかして、俺たちのこと嫌い?」
急に、濱崎くんが悲しそうな顔でそう言ってきた。
僕は驚いて目を丸くしてしまった。こんなに怖そうな人がこんな顔するのか。
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