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「そ、そんなことな…(いです)」
そんなことないよと言いたかったが、さっきの濱崎くんの表情の驚きと、タメ口は馴れ馴れしいかなとかいう思いと、まだ残る怖さの為、僕は語尾が小さくなっていた。
それでも伝わった様で、そっかよかったと笑って濱崎くんは僕のほっぺをつついてきた。
あれっ?濱崎くんも吉田くんもゴーグル焼けになってる?
近づいてきた顔を初めてしっかり見ると、2人とも薄っすらとパンダ顔だった。この人たちも水泳部なんだと気づいたと同時に、少しずつ怖さがなくなっていくのを感じた。
「あ… 2人も水泳部??」
「おう、奈生ちゃんから話しかけてくれたん初めてやんな?そうだよ、俺ら大下と一緒の水泳部。あいつみたいに真面目にやってないけどな」
2人は、あははっと笑っていた。なんだか全然怖くなくなってきた。吉田くんも濱崎くんも普通の人やん。
今日の放課後、試合を模した練習があるから遊びに来なよ、1年生しかいないしと言われたので、成り行きでうんと答えてしまった。
でも、大丈夫かな。僕なんかが行って邪魔にならないかな? ううん、大丈夫…だよね。大丈夫大丈夫。
僕は、心の中でおまじないをつぶやき続けた。
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