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川崎慎一郎
「バカだなぁ、ほんとにばか」
校庭の隅っこで涼みながら、黒田は苦笑いしながら言った。黒田が見ている先には、慎一郎が地面にに倒されていた。
「はははっ、お前ってほんとに単純だよな」
椅子に座って、足下にいる慎一郎の体に足を乗せて笑っているのは伊藤泰志。6年2組の暴れん坊だ。
黒田は伊藤が苦手だった。この暴君と自分の幼馴染の慎一郎がよくつるんでいるのは、黒田にとって謎だった。
「ちょ、やり過ぎ笑笑 あはは、やめろって笑笑」
慎一郎は、伊藤の取巻きの曽我と山田に手と足を押さえつけられ身動きができない状態になっていた。
伊藤は慎一郎の背中や脇、尻など足先でつっつき刺激している。くすぐったくて体をジタバタと動かし、なんとか逃れようとするが、最近まで「前へならえ」では腰に手を当てていた慎一郎では、無駄な抵抗だった。
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