安心感と温もり

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「まずは書面で離婚の意思を伝えるけど、はっきり言ってこれだけで上手くいくケースはほぼ無いわ。離婚を渋る相手は必ず対策を立ててくる。弁護士は、恐らくもう雇ってるでしょうね。だけど、相手の方が圧倒的に不利だし、とにかく璃々子さんが今気をつけなきゃいけない事は、由季くんと二人になる事。男女が二人きりになれば、親密であろうがなかろうが必ずそこを理由に挙げて相手も何かを要求してくる恐れはあるからね」 「……はい」 「その為に、啓介が居るこの家に住むとは聞いたけど……男二人が住む家に女一人っていうのもね……親族ならまだしも璃々子さんは赤の他人な訳だし……」 「やっぱり、まずいでしょうか?」 「まあ、啓介も由季くんも探偵だし、相談を受けた貴方を保護しているという名目だから駄目では無いけど、多少のマイナスにはなるかもしれない……いっその事、私の家に住んでくれても構わないけど、仕事の関係で朝早くから夜遅くまで家を空ける事が殆どだから……璃々子さん一人の時に何かあったら困るわよね……」  言いながら雫さんは考え込む仕草をする。  それから少しして、 「いいわ、私も暫くここに戻って一緒住む。それが一番ね」 「え……でも、いいんですか?」 「啓介とはあくまでも円満別居だもの。子供が帰省してる時なんかもここに泊まるしね、問題無いわ」  雫さんが暫くこの家に戻って来るという話で、私の住まいについての問題は解消される事になった。
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