パーティー

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「わあ…、なんて素敵なの。お花もたくさん飾ってあって、とっても綺麗!」 会場となっているホテルのバンケットホールに足を踏み入れると、瞳子はうっとりとため息をつく。 天井には、まばゆいシャンデリア。 ゲストの装いも華やかで、瞳子はまるでおとぎ話の舞踏会に来たような気分になった。 「大河さん、とっても豪華なパーティーですね!」 にっこりと笑いかけてくる瞳子に、大河は思わず目を細める。 だが、会場中の男性が瞳子を見て色めき立っているのが分かり、瞳子の肩をグッと抱き寄せた。 「やあ、冴島さん。お久しぶり」 やや年配の男性が近づいてきて、大河に握手を求める。 「ご無沙汰しております、後藤さん」 「結婚したんだって?おめでとう!こちらが奥様かな?」 「はい、妻の瞳子です」 つ、妻…と、呼ばれ慣れない響きに顔を赤くしながら、瞳子は男性に深々と頭を下げる。 「初めまして、瞳子と申します。お目にかかれて光栄です」 「これはこれは、なんとも美しい奥様だ。冴島さんには、弊社のホームページの動画やコンテンツでお世話になっていてね。あ、失礼。医療機器メーカーを経営している後藤です。よろしく」 「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」 瞳子が差し出された手を軽く握って握手に応えると、後藤はギュッと強く握り返し、親指でスーッと瞳子の手の甲をなでた。 思わず身体がビクッとなった時、大河がグッと瞳子の肩を抱き寄せて、後藤の手から引き離す。 瞳子はホッとして大河に身を寄せた。 大河は右手を瞳子の腰に回してピタリと抱き寄せると、左手で瞳子の右手を握り、後藤に触れられた感触を払拭するように優しく包み込んだ。 瞳子の心がじんわりと温かくなる。 「それでは後藤さん、またご連絡いたします」 丁寧にお辞儀をすると、大河は瞳子をかばうようにして歩き出す。 しばらくすると、今度は外国人男性に声をかけられた。 同じように「結婚したんだって?こちらが奥さんかい?」と瞳子に握手を求めてくるが、いつの間にか透と吾郎が近くに来て横から男性に話しかけ、仕事の話で気を逸らす。 やがて主催者の挨拶が始まり、乾杯を済ませると、アートプラネッツのメンバーは瞳子と泉をテラスの席に座らせた。
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