思いがけない再会

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「この間の瞳子さん達、本当に素敵でしたよねー。もう絶世の美男美女の結婚式!私、未だに思い出して余韻に浸っちゃいます」 「分かる!あの二人ときたら、オーラも輝きもハンパなかったよね」 「そうそう、神々しいまでの輝き!」 「うんうん。世界が浄化されそうなくらい」 「あはは!分かりますー」 二人で盛り上がり、頷き合う。 「今、あの日の動画を編集してるんだ。もうすぐ仕上がりそうなんだけど、由良ちゃんも見たい?」 「見たいです!瞳子さんに見てもいいか聞いてみて、OKだったら私にも見せてもらえますか?」 「うん、いいよ。由良ちゃんがブーケトスで見事にキャッチしたシーンも映ってるし」 「ほんとに?うわー、楽しみ!あのブーケ、ドライフラワーにして大切に飾ってるんです。次は私が結婚出来たらいいなー。って、まだ相手もいないうちから、気が早いですね」 そう言って、ふふっと笑う。 「由良ちゃん、今はフリーなの?そんなに可愛いんだから、すぐにいい人見つかるよ」 「そうだといいんですけど。私、こういう仕事してるせいか、どうも軽く見られがちで。遊びでいいからつき合ってって言われるんですけど、私は遊びは良くないんです!って。ずっとその繰り返し」 しょんぼりと話す由良に、透はへえーと感心する。 「そうなんだ。ちゃんと自分を大事にしてて、えらいね。由良ちゃん」 「…透さん、まだ私のこと18歳だと思ってます?」 「いや、思ってないけど、そうかもしれない」 「はあ?!なんですか、それ」 「ごめんごめん。つい」 「つい、って言葉も変です!」 「あはは!ごめんって」 すると由良が、じーっと透を見つめ始めた。 「ん?どうかした?」 「透さんこそ、ほんとに30なの?なんか、私より年下に思えてきちゃう」 「ええ?由良ちゃんより年下?もはや高校生じゃない」 「はいー?だから私、18じゃないですってば!」 「そっか、そうだったね」 「もう!」 二人で賑やかに言い合う。 気がつけば、あっという間に1時間以上経っていた。 「お、もうこんな時間だ。由良ちゃん、そろそろ帰らないと」 「だーかーら!高校生の門限じゃないですって」 「あはは!まあ、それにしてもね。可愛い女の子がこんなに遅くまで外にいるのは危ない。うちまでタクシーで送るよ」 そう言うと透は立ち上がり、マスターにクレジットカードを渡して由良と自分の会計を済ませた。 「さ、行こうか」 カウンターチェアから下りる由良の手を取って支えると、透はマスターに「ごちそうさまでした」と爽やかに挨拶してドアの外に由良を促す。 ビルの1階まで下りると、既にアプリで手配していたタクシーが止まっていた。 「どうぞ、乗って」 由良を後部座席に乗せると、透は運転手にタクシーチケットを渡し、最後に由良に声をかけた。 「また会えて良かった。気をつけて帰ってね。おやすみ」 パタンとドアが閉まり、小さくなるタクシーに手を振って見送ると、透は駅に向かって歩き始めた。
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