結婚式

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「はあ、もううっとり…。後ろ姿まで美しいわ」 ビデオカメラを回しながら、聞こえてきた言葉に、透は心の中で、うんうんと頷く。 大階段を下まで下りた大河と瞳子は、花が咲き乱れるガーデンの小道を進んでいく。 洋平達の結婚式から半年が経った4月の初め。 ようやく結ばれた瞳子と大河の結婚式が執り行われていた。 今日の二人の結婚式は、一日一組限定のゲストハウスウェディング。 ステンドグラスが見事なチャペルでの挙式のあとは、大階段でのフラワーシャワーとガーデンでのブーケトス。 そして披露宴会場でフレンチのフルコースを味わうと、オープンテラスでのデザートブュッフェやプールサイドでお酒を飲んだりも出来る。 思い思いに新郎新婦と会話を楽しみながら写真を撮ったりと、和やかで楽しい一日が過ごせそうだった。 瞳子と大河はガーデンの中央まで来ると、向かい合って何やら言葉を交わした。 大河の言葉に照れたように、瞳子は微笑みながら、両手で胸に抱えたブーケに顔を寄せている。 「ひゃー、もうどこをどう撮っても絵になるな」 「分かる!ドレスのトレーンが長くて美しい後ろ姿も、新郎の顔をそっと見上げて微笑む横顔も、どの瞬間の瞳子さんも綺麗で目が釘付けになっちゃう」 「そうそう!カメラをめちゃくちゃ連写したい気分」 「あー、確かに!」 テンポ良く掛け合いをしてから、ようやく透は「ん?」と顔を上げた。 すぐ下の段に立って、うっとりと瞳子達を見つめている女の子が目に入る。 どうやらこの子と自然に会話をしていたようだった。
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