パーティー

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帰りは、泉につき合ってお酒を飲まなかった洋平が運転して、皆を家まで送り届けてくれた。 「瞳子、お疲れ様。コーヒーでも飲む?」 「ええ。私が淹れますね」 「いいよ、俺がやるから。瞳子は座ってて」 結婚後に瞳子が引っ越してきた3LDKの大河のマンションは、リビングからそのまま広いオープンテラスに出られる。 瞳子と大河はテラスのベンチに座って、星空を眺めながらコーヒーを飲むことにした。 「パーティー、楽しかったな。みんなでたくさんおしゃべり出来て」 「そう?それなら良かった。けど、少しでも嫌な思いをするなら、瞳子は来なくてもいいんだからね」 「ううん、大丈夫。大河さんやみんなが守ってくれるし。それに大河さんがお仕事の話してるの、かっこよくて!」 「へ?俺、なんかしてたっけ?」 「うん。キリッとした顔つきで、年上の人とも対等にお話してるし、外国の人にはペラペラーって英語でやり取りしてて。私の旦那様は、なんて素敵なのーって。もう惚れ直しちゃった」 そう言って瞳子がふふっと笑うと、大河は顔を真っ赤にする。 「大河さん?あれ、固まってる?」 じっとうつむいて身を固くしている大河の顔を、瞳子は下から、ん?と覗き込む。 目の前に小首を傾げた瞳子の顔が現れ、大河は更にカチンコチンになった。 「大河さーん。あれ?もしもし?」 くりっとした瞳で上目づかいに見つめられ、大河はその可愛らしさに思わず瞳子をギュッと抱きしめる。 「ひゃっ!大河さん?急にどうしたの?」 「瞳子、可愛すぎてダメだ」 「え、どういうこと?」 「自分を抑えきれない。我を忘れるほど、瞳子が愛おしい」 大河は胸にきつく瞳子を抱きしめると、頬に手を添えて上を向かせ、強引に唇を奪う。 んっ…と瞳子が吐息を洩らし、大河は頭の中が真っ白になった。 腕の中の瞳子の柔らかい身体、耳元で聞こえる瞳子の甘い吐息、手に触れる滑らかな肌、そして直に感じるふっくらとした唇の艶やかさ。 研ぎ澄まされた大河の五感が瞳子の全てを感じ、心の奥底から愛しさが込み上げてくる。 こんなに強引に感情をぶつけて瞳子を怖がらせていないかと、かろうじて残っていた理性が働いた時、瞳子が自らの両腕を大河の背中に回してギュッと抱きついてきた。 「大河さん、大好き…」 囁かれる声に、大河は一気に想いを溢れさせる。 「瞳子、俺だけの瞳子…。愛してる」 考えるよりも先に言葉がこぼれ、身体が瞳子を求める。 自分に身を委ねてくれる瞳子に、大河はありのままの想いを注ぎ込むように何度も口づけていた。
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