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「由良ちゃん、お待たせ」
「透さん!今日は車なの?」
「うん。今日の君はVIP待遇だからさ。なーんて、リムジンじゃなくて会社の車だけどね」
「あはは!嬉しいです」
2日後。
仕事を終えた由良から連絡をもらい、透は最寄り駅まで迎えに来た。
助手席のドアを開けて由良を促すと、早速ミュージアムへと車を走らせる。
「わあ、運転してる透さん、かっこいい!」
「え、そうかな?」
「うん。免許取りたてって感じがしないし、なんだか10年くらい運転してるベテランみたいに見える」
「ゆ、由良ちゃん。俺、免許取りたての18歳じゃないよ?もう12年運転してる」
「ええー?!そんなに?」
「ちょっと、また年の話?もう、何回言えば覚えるの?俺、透じゃなくて『みそじ』って名乗ろうか?」
「あははは!みそじ!面白い!31になったらどうするの?」
「みそいちって名乗る」
「みそいちー?!」
由良はお腹を抱え、目に涙まで浮かべて笑っている。
「あー、おかしい!透さんといると、会って5秒で笑っちゃう」
「マジで笑える5秒前ってやつ?」
「違ーう!」
くだらない話で盛り上がっているうちに、あっという間にミュージアムに到着した。
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