心からの祝福

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同じ頃、オフィス フォーシーズンズでも、驚きの絶叫が響き渡っていた。 「ええええー?!けけけ、結婚?!」 亜由美を前に、瞳子と千秋は椅子から落ちそうになるほど仰け反って驚く。 「あの亜由美が?いつの間に?」 「千秋さん、あのってなんですか?」 「いや、だって、毎日キャピキャピルルルン!って感じで、およそ結婚なんてまだ先だと…。独身生活を謳歌してから落ち着くのかなと思ってたのに、まさか22歳で結婚を決めるなんて」 「まあ、そこは私もちょっと意外でしたけどね。30くらいまでに結婚出来ればいいなって思ってましたから」 すると瞳子が身を乗り出してくる。 「でも、それだけの人と出逢えたってことでしょう?亜由美ちゃんが、この人しかいない!って、22歳で結婚を決意するような素敵な人に」 「ふふふ、はい」 「きゃー!可愛い、亜由美ちゃん。お相手はどんな方なのかしら?気になるなあ。いつか紹介してくれる?」 目を輝かせる瞳子に、亜由美は、うーん、と 視線を逸らす。 「紹介しなくてもいい気がするなあ」 「え?どうして?」 「だって、瞳子さんも千秋さんも、よく知ってる人だから」 …は?と、二人は目が点になる。 「私達が、よく知ってる?」 「それって…、え?まさか!」 瞳子と千秋は顔を見合わせると、思わず互いの手を握り合った。 「亜由美、もしかして…」 「ふふっ、はい。アートプラネッツの方です」 「やっぱり!誰?どっち?」 「透さんです」 きゃー!と二人は声を上げて身悶える。 「透さんが?ひゃー!あの甘ーいセリフを亜由美ちゃんに?やだ!お似合い!妄想が膨らんじゃう」 両手で頬を押さえて盛り上がる瞳子達に、亜由美が声を張って話す。 「それで!あの、もしお邪魔じゃなければ、明日のアートプラネッツの打ち合わせに、私も同席して構いませんか?透さんが、皆さんに挨拶したいからって」 「やーん!結婚の挨拶?緊張しちゃう!もちろんいいわよ。一緒に行きましょ!」 楽しみー!と、そのあとも散々瞳子と千秋は浮かれていた。
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