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男の子は、ポケットに入れていたのか、小さなミニカーを手に取るとテーブルの上で、ぶーぶー、と声を漏らして走らせる。 「この子の母親……妹は人を殺すような子じゃないんです。きっと警察の勘違いだと思うんですけど…」 やがて男の子の隣の椅子に腰掛けた彼女。不安感が拭えずにいる彼女に、千奈津さんが尋ねた。 「何か、心当たりは無いですか?警察が勘違いを起こすような」 「いいえ、特には」 首を横に振って、彼女は否定した。私と千奈津さんは互いに落胆して。そうですか、と千奈津さんが漏らす。
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