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 出発は北海道発、東京都着の夜行便である。クリスマスでファーストクラス以外、満席だったその便は、搭乗した357人の内、7人が着陸時の機体分解の衝撃で即死。他、226人が機体の中で炎に巻き込まれ焼死し、うち124人が座席ごとや、身体だけ海に投げ出された。時刻が夜間だったこと、加えて悪天候だったことも一因で、海上保安庁による救出は難航を極めた。結局、その日のうちに救助されたのはたった2人。残念ながらその後、死亡が確認された。日を超えた深夜、暗闇での救出を求める家族や恋人たちに、政府は「ご家族の気持ちは計り知れない。しかし今は救出できない」と、弁明した。翌朝、日が明けてから、その凄惨な現場の様子は、日本だけでなく世界中に生中継されることになった。  夜に事故が起きたという要因はやはり大きかったのだろう。翌日、生存者が確認されたが、それはたったの1人だった。
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