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 私は千奈津さんと互いに椅子を引いて、長テーブルの片一方の方向の席2つへと腰掛けた。正面には落ち着かない様子で、明里さんの姉だと言う女性が、幼い男の子の手を握ったまま、立ち尽くしている。時折男の子の傍に腰を折って髪を整えてあげたり、「大丈夫?暑くない?」と声掛けをしている。そんな様子を見ていた私は思わず声をかけた。 「…お子さん、可愛いですね。5歳くらいですか?」 すると女性は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに、あぁ、と声を漏らして苦笑した。 「いえ、この子は妹の子どもなんです」
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