24人が本棚に入れています
本棚に追加
男の子は、ポケットに入れていたのか、小さなミニカーを手に取るとテーブルの上で、ぶーぶー、と声を漏らして走らせる。
「この子の母親……妹は人を殺すような子じゃないんです。きっと警察の勘違いだと思うんですけど…」
やがて男の子の隣の椅子に腰掛けた彼女。不安感が拭えずにいる彼女に、千奈津さんが尋ねた。
「何か、心当たりは無いですか?警察が勘違いを起こすような」
「いいえ、特には」
首を横に振って、彼女は否定した。私と千奈津さんは互いに落胆して。そうですか、と千奈津さんが漏らす。
最初のコメントを投稿しよう!