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 遺体安置所に向かう通路は、関係者で一杯だった。「朝日航空」の係員や、作業員、政府関係者から、出待ちをしているマスコミ関係者、受付に戻ろうとしている受付嬢までウロウロしていた。そんな通路を、「遺族」という腫れ物に触るような眼で見られながら、私達は向かった。  「遺体の……ほぼ皆さん、どのご遺体もなんですが、損傷が激しいので本来は普段のお顔を拝見してのご確認をして頂くのですが……その…」 スタッフの男性は、私達と廊下を歩きながらそう予め言い置いた。
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