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 何を言わんとしているのかは、すぐに察した。 「…お辛いかとは思いますが、よろしくお願い致します」 そう一言付け加え、彼が私達を連れて案内したのは白い金属製の扉の前だった。ガチャリと古びた取っ手を回し、彼はドアを開扉する。途端、冬場の屋内にも関わらず更にひんやりと空気が肌を刺した。恐らく冷房をしているのだろう。広い部屋だった。室内には日差しが差し込む窓などは無く、航空会社「朝日航空」のシンボルマークと、日本国旗のマーク、他にも書類が貼られていた。
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