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医療関係者と見られる透明のフェイスガードとビニールの着衣のフル装備をした人物、そしてマスクをした朝日航空の社員と思われる何人かのスタッフがいた。私達が足を踏み入れると、彼らは何も言わない先から、深々とこちらに頭を下げた。千奈津さんが、私の両肩を後ろから支えてくれた。スタッフの一人が歩み寄ってきた。ただ頭を下げた。
「この度は誠に、申し訳ございませんでした」
千奈津さんは後ろでこの時、一体どんな事を考えていたんだろう。私を支えることに一生懸命で、弟を亡くした辛さを、私はその時、考えてはあげられなかったんだ。
微かに震えるため息がその時、私の耳に聞こえた気がする。
棺を開けた時、何だか変な匂いが鼻の中いっぱいに広がった。
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