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何兆もの小さな生命体は、互いに依存し合い、持ちつ持たれつ、共同生活はうまく進んでるかに見えた。
ある生命体が誕生するまでは。
その生命体を、仮に『H』と名付けよう。
誕生したばかりのHはまだ弱く、少数であったため影響力は小さかった。しかし、繁殖力だけは凄まじかった。
次々と自分たちの核を掛け合わせ、子孫を作っていった。交配に次ぐ交配。増え続けたHは、1つのまとまりを各所に作り出し、細胞を組織化していった。
その集団は他の細胞へと危害を加えるようになる。Hは毒ガスを吐き出し、周りの細胞を汚し、自分たちのいいように周りの組織を貪食していった。
自分勝手極まりない。
それが生命体Hの本性だった。
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