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生命体Hが蔓延る世界には、もう他の組織が入り込む余地はなくなっていた。
そうなると、できることはただ1つ。浸食できる領域を求めて、生命体H同士の奪い合いが始まった。
互いに同種の生命体であるにも関わらず、その侵略は散々たるものだった。1つ残らず食い尽くす。小さな生命体Hの組織は、あっという間に食い尽くされた。
生命の保持。組織の拡大。
生命体Hの本能なのか。
そのためだけに生きているのようだった。
そこに意味はないのに。
毒を吐き続け、今までの生態系を悉く覆す生命体Hは、大きな生命体にとって害を成す、極まりない存在になっていた。
もう黙っていられない。
大きな生命体の我慢は限界に達した。
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