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大きな生命体による制裁は、内部に存在するあらゆる生命体に打撃を与えた。
特に生命体Hに対しては、執拗に。
大きな生命体は、生命体Hの繁殖力を知っていた。1匹でも残してしまうと、いつしかまた、すごいスピードで繁殖するに違いない。
徹底的に、殺る。
大きな生命体の強い覚悟が、この過度とも取れる制裁を産んでいた。
生命体Hだけでなく、その周りにあった害のない生命体も、この上ない被害を被った。
大きな生命体内にあった何兆もの生命体が死滅状態に陥ったある日、嘘のように、突然と過度な制裁は終わりを告げた。
振動は完全に収まり、灼熱の液体は急激に冷え、生命体は安定した秩序を取り戻した。
それは、生命体Hの完全なる消滅を意味していた。
大きな生命体内部に生きる生命体は、数百までに減少していた。
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