真田 

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失礼なそいつらは、俺の前で話し始めた 「皇さ、加賀美グループの双子の御曹司覚えてる?」 「ああ…居たな」 「一次会で、その話が出てさ。双子の兄の方。彩仁って言うらしいんだけど、大学卒業と同時に、失踪したらしいんだ」 「へぇ」 えっ?! 「しっ…失踪って…兄って、どっちだよ?」 「何だよ?真田…今まで全然話聞いてくんなかったのに、急に…」 「だって!…」 あっちの加賀美だったら… 九条の彼氏だった奴じゃん 別れて、あんな落ち込んでた奴が 別れたとはいえ、失踪とか... 「真田、加賀美の兄知ってんの?皇も?」 「俺は知らない。真田、知ってんのか?」 「知ってるって言うか…遠くで見掛けた」 「はあ?遠くでなら、隣の学部だし、有名人だし、皆見掛けてるわ!じゃなくて!」 そういう…見掛けるじゃなくて 九条との...密会を見掛けてるんですけど 「その話してたら、九条がすげぇ食い付いてきて...まさか死んだりとかじゃないよな?って聞いてきた。俺酔ってたし、何も考えずに、加賀美グループが探して見付からないなら、その可能性あるかもな?って言ったら、顔色変わっちゃって…まさか、九条が繋がりある奴だとは思わなかったから...俺、すげぇ残酷な事言っちゃったと思って…なあ、九条と加賀美の兄って、どんな関係だったの?」 「俺は、知らん。真田、知ってんの?」 じゃあ…やっぱりあれが、兄の彩仁なんだ 「たまたま…偶然…多分その彩仁と九条の、密会現場を目撃した」 「密会?何してたんだ?」 「なっ…何って……2人して…空見上げて...楽しそうに笑いながら喋ってた…」 な…何これ… 言うだけで、すげぇ恥ずいんですけど?! よく、あんな事出来たな?! 「金平、こいつの脳ミソもう死んでるから、今日話聞いても無理だ」 「まあ、そうだな」 は? 「ちょっと!待てよ!人を辱しめておいて、何だと?!」 「誰がそんな話信じるか」 「酔ってる時に聞いた俺が悪かったよ」 何こいつら! 腹立つ! 「ほんとなんだって!俺だって信じられなかったけど、その後…多分別れ話の現場まで目撃してしまった…」 「え…何?お前、ストーカー?九条のストーカーだったの?怖っ…ちょっと俺に近づかないでくれる?」 皇が真顔で言ってくる 「違うわ!ボケ!たまたまだって言ったろが!俺のたまに行く場所に、加賀美もたまに来てたんだよ!居たら行かないから、話した事はないけど。そしたら、ある日九条と、話してて、空見て笑うから、マジで!ほんとビビったんだから!」 「ああ~…そう言えばお前…いつだか九条に男が好きか確認してたな。愛の告白の真相はそれか」 愛の告白言うな! 「え?嘘マジで?」 「金平。真田は、ちゃんと確認した訳じゃないから、鵜呑みにするな」 「まだ言うか?!最後に見た時、九条が加賀美の腕引っ張って、そしたら加賀美泣いてて、木陰行って話してたら、九条…加賀美の両肩に手を置いて、なんか必死に話し出して…な?!別れ話にしか見えないだろ!」 大学生の男が人前で泣くって… 親友なら分かるけど、一緒に遊んだり歩いたり見た事ないし じゃあ、もう、そういうんだろ 「そうとしか見えなくたって、色んな可能性があるんだから、決めつけるな。真田が、たまたま偶然そんなとこ目撃するのだって、普通に考えたらあり得ない可能性なんだから」 「そうだな。でも、まあ…そこまでするなら、それなりに深い関係だったよな…はぁ…俺、すげぇ悪い事したわ」 どう見ても恋人っぽかったけどなぁ そうじゃないなら、あいつはタラシだな けどまぁ… 確かに顔色は悪くなってた 「もし、そういう関係じゃないなら…そこまで顔色悪くなるとか...なんか、失踪に関わってる...とかじゃないのか?」 皇が、とんでもない事を言い出す 「ちょっ…お前…その辺の奴じゃないんだから、滅多なこと言うなよ…加賀美だぞ?か・が・み」 金平が小声で念を押す 「でも、だからこそだろ?そりゃ青ざめるわ。何かのキッカケで九条、相談に乗って、その時言った事とか...なんか思い当たる事あるんじゃないの?」 「…なんか、そんな気がしてきた。それなら、あり得そう…恐怖しかないけど」 え?そう? 相談? あんな…泣く程の? だとしたら…九条…責任重大じゃん
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