叔父の名前は

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叔父の名前は

結… ん? 誰か… 呼んでる? 結… 父さん? 朝? でも…朝ごはんの匂いしない 叶、まだゆっくり寝させてあげなよ あれ? この声… 結、帰ろう? 帰る… 帰りたい 父さんと… 家に帰りたい 父さんと… 帰りたい... 結… 結、大丈夫だよ ちゃんとずっと傍に居るから ずっと… 傍に… 居てくれる人が居る ……あ 寝てた? 「結!分かる?」 「……叶さん」 「うん!どっか痛いとこは?苦しくない?」 叶さん…凄く一生懸命… 「…大丈夫です」 ここ…何処? 「結君。受診の後倒れちゃったんで、九条が急患室に連れて来てくれたんです」 「…九条先生」 そう言えば… 一緒に歩いてた 「手足痺れたりしてないかい?」 九条先生だ... 「…いいえ」 「そうか。真田を呼んで来る」 倒れちゃったって… また別の病気? だから、こんなに頭ぼーっとするの? 「朝比奈 結君。初めまして。真田です」 「…初めまして。先生…ありがとうございます」 「何処か打って痛いとか、気持ち悪いとかないかな?」 「…ないです。俺…何の病気ですか?」 「…何度か起こしてる発作が、今回はちょっと強かっただけだよ」 新しい病気じゃないんだ 良かった でも、凄く眠い 「…良かったです」 「薬が残ってるだけで、帰って大丈夫でしょう」 「結、びっくりしたね?もう大丈夫だって」 元気に…答えたいのに 「…叶さん…心配かけて…ごめんなさい」 「謝んなくていいよ」 「私は1度、皇先生の外来に声を掛けて来ます」 「ええ。どうぞ」 眠い 強かったから倒れて眠いの? こんなの何回もあるのかな? どうしよう 皆に沢山心配かけちゃう こっち来てから 心配と迷惑ばっかりで 俺…何も出来てない どうしよう 「結?どうしたの?」 叶さん…心配そう 「…ごめんなさい」 「なんで謝るの?結…泣かないで」 謝る事しかしてないから 父さんの事 喜ばせたみたいに 何か出来たらいいのに 「結…今日も一緒に寝ようね」 「結、明日は何処行く?」 「結…伊織は……っ伊織も心配してるよ」 叶さんの声…遠く 加賀美さんも心配させちゃった 父さんの…大切な人 「……父さん…ごめんなさい」 「父さん…(りん)ちゃんママ、死んじゃったの?」 「うん...ずっとね、病気と闘ってたんだよ」 「凛ちゃん…泣いてる」 「悲しいね。もう会えないね」 「うん...もう会えない...うっ…」 「だからね、結。凛ちゃんママと会えた時間が、凄く大切だったなとか…もっと、話せば良かったなとか…思うだろ?」 「…っ…うんっ」 「凛ちゃんママだけじゃないよ。凛ちゃんも、凛ちゃんパパも、皆…いつ会えなくなるかなんて、分からないんだ。だから、会う度に感謝しなきゃ」 「…感謝?」 「今日も会う事が出来た。ありがとう。今日も一緒に笑えた。ありがとうって」 そうだった… 謝るんじゃなくて… もっと感謝しなきゃ 「…ありがとう」 毎日、沢山の人が 傍に居てくれる 「…ありがとう…ございます」
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