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同期
「…と、いう訳で、さっさと白状しろ」
昨日から働きっぱなしだった真田を召喚
俺達だけで話してても意味がないと
九条の家へと辿り着いた
「突然2人して押し掛けて来て、…で済ませるな」
「うるさい!昨日から4時間しか寝てないんだ!さっさと話せ!」
「うっ…それは…俺に何とかしろと?今の体制をどうにかしろと…」
「そんなのお前にどうにか出来るか?!いいから、さっさと話せ!」
真田を、少し寝かせてから来るべきだったか
「だから、15分前にあった、これから行く!白状しろよ!の電話だけじゃ、何も分からないんだが?ご丁寧に酒持ち込みやがって」
「おお…とりあえず呑むぞ!」
そう言って、真田が真っ先に飲み出した
凄い勢いで……
これ…話し合いになるのか?
「皇、結君の事なんだろ?白状ってのは何だ?」
「いや…あの子さ…」
「お前の元カレの子だろ?!」
出たよ彼氏説
「皇、この馬鹿は何言ってるんだ?」
真田の酒の勢いが…
「ちょっと真田、もう少しペース落とせ」
「うるせぇ!信じたくないが、明日も仕事なんだぞ?!呑ませろ!」
お気の毒様…
「俺は見たんだからな!俺の…お気に入りの場所……あいつ時々宇宙と交信して……」
「皇、こいつ頭イカれたのか?」
「俺にも、もう分からん」
「九条!お前だって喜んでたろうが!」
「はあ~?何の話だ?」
「壁に生えてる草見て、一緒に空見て笑ってただろうが!それ見ちゃった俺は、会話とか想像して、悪心、嘔気を誘発されたんだからな!慰謝料よこせ!」
真田が、九条に向かって右手を出す
「……それって…もしかして彩仁の事…」
「もしかしなくても加賀美兄だよ!俺なんか、お前らの痴情のもつれ現場まで見させられたんだからな!友達の…男との…そんな……うお~~っ!!想像させんな!!」
「おい、真田。明日も仕事なら、その辺にしとけよ」
「うるせぇ!何だよ?!俺はもう…そんなんでアタフタしてた学生じゃねぇぞ!なんでお前相談しねぇんだよ!元カレ…生きてたの知ってたのか?いつ…死んだって分かったんだよ…なんでお前が面倒見てんだよ……馬鹿じゃねぇの?」
「真田……九条、結君は…加賀美 彩仁の子供…なんだろ?」
しばらく俺達を見た後
「……ちょっと…自分の罪が重すぎて…言えなかった。金平が…探してくれて...伊織の方と繋がって……多分、苦労はしてるかもしれないけど……生きてるんだろうなと思えて……けど…ほんとはどうなのかなんて…分かんなくて……彩仁が死んだからと、伊織の元に来た結君を見て……結君と話して初めて…ああ……幸せだったんだろうなって…思えて……」
金平…責任感じてたのかな
「結君に会うまでって…最近の話だろ?どんな話だって言えよ。そんな口軽そうに見えるかよ」
「いや……何て言うか…口に出すのが怖かったんだ……俺、彩仁とまともに話したのなんて、たった3回なんだ」
「うえっ?!お前…たった3回でフラれたのか?!」
落ちかけてた真田が、急に大声で戻ってきた
寝てたんじゃなかったのか
「何を馬鹿な想像してるのか知らないが、たった3回たまたま偶然会って話しただけだ。それだけの関係なのに俺は…彩仁の人生を大きく変える様な事を言った。言ってるそばから後悔していたが…まさか、こんな俺の言葉を鵜呑みにして、そんな大きな決断などする訳ないと思ってた。だから…あの時、彩仁が失踪したと聞いて……加賀美の家でも見付けられないって…聞いて……俺は彩仁を殺したんじゃないかって思ってたんだ」
医者目指してる奴が
人を殺したかもしれないって思ってるって
どんな情緒…
「……まあ…それは…確認しようもないし、気持ち分からなくもないな。それに、あの頃…自分の事でいっぱいだったから…ちゃんと話聞いて相談に乗れたか分からないな……が、今は違う。結君にも実際俺達も関わってる。紹介する時、言っとけよ」
「そうだぞ!泣きそうな顔しやがって!」
「……え?は?泣きそうな顔?」
「自覚ねぇみたいだから教えてやる!我が子を心配する父親の顔してたぞ!」
「加賀美と結君を見てる時は、優しく見守る母親みたいだったけどな」
「は?!」
無自覚なんだろな
みるみる顔が赤くなってく
九条のこんな顔見る事ないな
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