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「終わったのか?」
「九条先生。今、如月さんが先生と話してます」
「そうか。お腹空いたろ?叶、透哉に連絡しておけよ。先に昼飯行ってるって」
え?
「あ…まだお腹大丈夫なので、如月さんの話終わってからで大丈夫です」
「すぐに追いかけてくるさ。大丈夫だよ」
九条先生が俺の頭を撫でてくれる
「俺も喉乾いたし、先に行ってよ?透哉には連絡しとくから大丈夫」
「…はい」
叶さんもそう言うなら…
俺達は3人で食堂へと向かって歩き出した
いつ来ても凄い人の数…
「傷、痛くなったりしないかい?」
九条先生が、目の上の傷を見ながら話し掛けてくる
「いえ、忘れてました」
「ははっ。忘れるの早いな。まだ気になるはずだけどね?ま、俺の縫い方が上手かったからな?」
「はい!」
「…まさか肯定されるとは思わなかったな。ありがとう」
そう言ってまた、頭を撫でてくれた
少し先にエレベーターが見えて、両親と5歳位の男の子が降りてきた
父親が、沢山の荷物を持っている
「お母さん、お家に帰れて良かったね?」
「寂しい思いさせてごめんね?」
母親が入院してて、退院なのかな
あの子、嬉しそう
まだ、あんな小さいもんなぁ
良かったね
「お父さん!僕も荷物持つ!」
……っ
「そうか?じゃあ、こっちの荷物持ってもらおうかな?」
あれ…?
何だろう…
「うん!」
胸がざわざわする
「結?」
「ん?…結君?」
カン!カラカラカラ
「あっ!落ちちゃった…」
ドクン!!
「ははっ。大丈夫。父さん取ってくるな」
待って…
やめて...
動かないで
取りに行っちゃ…
「…っ…だめっ……っ…」
リンゴ…グシャグシャ
「……っはっ…やめっ……はっ...はっ…」
血…父さんから…
どんどん…出てくる…
やめて…そんなに出たら…
父さん…
死んじゃう
「はっ…あっ...はっ...うっ…~~っ…!」
リンゴ…取りに行ったから...
「うっ……ひ~~っ…はっ…はっ…」
リンゴ…落ちちゃったから…
「…あっ…はっ...ひ~っ…ひ~~っ…!」
何で...落ちたの…
「はっ…はっ…うっ…ひ~~っ…!はっ...」
俺が…落としたから
「ひ~~っ…!ひ~~っ…!」
俺が…父さん…殺した
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