真田　

九条とは大学2年の時、初めてまともに話したそりゃ、雇われ医の息子の俺と違って、大病院の息子ですから？知らない訳ないけど冷静沈着って感じだった学生の頃から、あまりベラベラ喋ったり、馬鹿みたいに騒ぐ奴ではなくてやっぱり将来、大病院の院長を約束されてる奴は違うのかねぇなんて思ってただから、研修も全部自分の病院で、そのまま気を遣われながら、トップまで行くんだろなぁと思ってた 2年の飲み会で、たまたま隣の席になり、初めてまともに話したまあ、医学生らしい普通の会話だそこで、初めて俺と同じく救命医を目指してると知る何処の病院が凄いだの研修先は何処がいいだのやっぱり同じもの目指してると、勝手に話って盛り上がるもんだ「九条は、自分とこの病院で、研修もするんじゃないのか？」｢まさか！そのうち一生働く事になる病院の人達に、まだ何も知らないペーペー時代を見せてたまるか。大体、親の病院で働くかどうかも、まだ迷うところだ｣「何で？色々気遣ってもらえていいじゃん？」「だからだよ。ずっと、そんなとこ居たら、ろくな人間にならないだろ。いずれは、そうなるとしても、普通を知らなきゃだろ？」しっかりしてんなぁ楽して働けたら何でもいい気がするけどやっぱり、俺なんかとは小さい頃から、ものの考え方が違うんだろなそれから、たまに会うと話す様になる話す時は、普通に冗談も言ったりするがとにかく勉強熱心すげぇ勉強してて焦って俺も勉強した 3年の春に、不思議な事を言い出す廊下を歩いてる時に、窓から空を見ながら「なあ、真田。空って結構見るか？」勉強し過ぎて、頭おかしくなったか「ま、たまに？」「あの空見て、どう思う？」ヤベエなこいつ「九条、人は空は飛べないからな？飛べると思っても、それはお前の妄想だ。俺が付いてってやるから、今日精神科受診しよう」「はあ？何言ってんの？お前、なんか変な本の読み過ぎか？発想ヤバいわ」なんで俺がヤバい奴になってんだよほんとに、精神的に追い詰められる奴とかいるからなこいつは要注意だ 3年になり、俺は、大学構内に1人になれる、素晴らし過ぎる場所を見付ける皆と騒ぐのも好きだがたまには1人になりたいじゃん？誰からも忘れられた様な場所には、ちゃんとベンチが置いてありたまに行っては寛いだ俺だけの特等席と思ってたのにある日、先客が居たまあ、しょうがない何…してるんだ？ずっと上見上げて宇宙と交信でもしてんのか？俺も、しょっちゅう行く訳ではなくたいていは行くと寛げたがたまに、そいつを見かけた壁際に生えてる草を見てたりとにかく理解不能そして、たまたま歩いてる時に見かけて友達から聞いて加賀美の双子の御曹司だと知る双子のどっちがどっちかは知らない噂には聞いてたけどあれが片割れ？宇宙と交信してるけど… 秋頃また、その場所へと向かうと話し声がするなんだついに、ここで話す奴まで来てしまったかと遠くから見て立ち去ろうとすると話してたのは加賀美の御曹司と… 九条？え？加賀美の御曹司と知り合いだったのかまあ、どっちも御坊っちゃまだしなでも、なんでこんなとこで会ってんの？普通に広いとこで会えば良くね？知られちゃマズイ話でもしてんのか？お偉いさん達の考えてる事は分からんなんとなく立ち止まったまま見てると壁際の草を一緒に見ながら話した後加賀美が空を指差すと九条も空を見てうわぁ… なんか空見て2人して楽しそうに話してるわ笑い合ってるわ行こ宇宙と交信出来たよとか話してんのか？へぇ、凄いねとか？この草、また増えたよへぇ、ほんとだね？キモっ！なんじゃそりゃ！え？あれ？待てよ？待て待て待て待て何怖い事考えてんの？俺いや、だってさあの九条だよ？ないないないないけど… 確認が必要だ「九条、おはよ」「おお、おはよ」「あのさ、九条。俺の心の安寧の為に確認しときたい事があんだけど…」「…何？」「お前ってさ…男…好きだったり...する？」「……………」な…何？！その沈黙！ってか、こんなとこで聞かなきゃ良かった！「何？真田の告白タイム？頑張れー」「す…皇！違うわ！」「まあまあ、言ってしまったもんは取り消せないから、素直になれって」「だから！俺は女が好きだ！ってか、さっさと答えろ九条！」「…多分、俺もそうだと思うけど？何？何の質問？怖っ…」え？そうなの？っつ～か多分とか...だと思うとか何でそんな自信なさげなの？！怖いのはこっちだわ！「あ...いや...それならまあ…いいんだけど」俺を、そういう目で見てないなら問題なしってか、俺が目撃してしまった2人が恋人同士でした～とか、吐くからヤメテ欲しい良かったと、思ったのに俺は翌年の夏エライものを目撃する

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