3人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「こちら火力発電所。怪獣、沈黙せず!」
「追撃に入る! 北方部隊は全弾打ち尽くせ!!」
「こちら変電所! 電圧により怪獣は完全に沈黙!!」
「こちら北方部隊! 怪獣、沈黙しました!!」
無線で次々と報告が入ってくる。
4体のうち2体は既に撃破したようだ。
残るは、俺がおびき寄せている1体と、ギャラクシィマンに託した1体のみ。
「男、見せてやるよ……!」
溶鉱炉は目前。
そして、背後に迫る怪獣も、目前。
うっかり溶鉱炉でハンドル操作を誤ってしまったら……
1歩だけ、怪獣が大きく踏み出してしまったら……。
その時点で、俺の人生は終わり。
身体じゅうから汗が噴き出してくる。
こんな思い、生まれて初めてだ。
(こんな思いは……もう二度と御免だぜ!!)
溶鉱炉が近づく。
俺は溶鉱炉を迂回すべく、少しだけスピードを上げ、大きく回り込むことにした。
しかし……
「マジかよ!!」
進行方向には、逃げ遅れた作業員が一人、残されていたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!