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そんな隊長の予感は、当たった。
先の戦いからそれほど日が経たないうちに、新たな怪獣がやってきたのだ。
しかも、4体。
「馬鹿な……怪獣が組織的に動くというのか……?」
「嘘だろ……最近強くなってきた怪獣1体倒すのに、あのギャラクシィマンだって手一杯だったじゃないか……。」
これまでの怪獣とは違う。
人型の怪獣が4体。
怪獣同士で争うことも無く、まるで同じ仲間だと言わんばかりに並んで歩いている。
進路の直線上の街を、破壊しながら。
その異様な光景に、街は一瞬でパニックに陥った。
普段なら俺たち地球防衛軍の避難誘導に素直に従う住民たちも、今回は上手く指示を聞いてくれない。
「おしまいだ……地球は今度こそおしまいだ!!」
「嫌だ……死にたくないよ!」
人々の悲鳴が、次々といろいろな方向から耳に入る。
「落ち付けよ……ここでパニックになっても仕方ないだろうが……」
周囲の隊員を見る。
なかなか指示に従ってくれない住民。
そして、今まで見たことも無いような、絶望的な光景に、隊員たちも足が止まっていた。
「お前ら……。」
俺は、まだ絶望するわけにはいかない。
死ぬわけにはいかないんだ。
それでも、怖い。
恐怖のあまり、俺の足はガタガタと震えていた。
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