俺は地球防衛軍

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「逃げろ――――!!」 足は震えたまま、俺は力の限り叫んだ。 しかし、なかなか住民たちは動こうとしない。 いや、動けないのだ。 「お前ら、早く避難誘導しろよ! それが俺たちの仕事だろうが!」 少しでも多くの隊員たちに聞こえるように叫ぶ。 この際、先輩とか上司とか、細かいことに構ってはいられない。 そんな状況ではないのだ。 「あ、あぁ……。」 「でも、どこへ避難させれば……。」 これまでとは違う怪獣の状況に、隊員たちも狼狽えていた。 地球防衛軍、この隊に組織される隊員たちは、入隊後すぐにメンタルトレーニングを受ける。 命のやり取りをする部隊であるということを自覚させ、多くの人を守るという意識を植え付ける。 しかし、そんな訓練を受けた隊員たちも、この時ばかりは動きが鈍かった。 その理由は、ひとえに『絶望』。 今回ばかりはギャラクシィマンでも勝てないかも知れない。 そう、皆が思っているのだ。
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