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やがて、ギャラクシィマンが到着する。
4体の怪獣たちを一気に相手にするつもりのようだ。
しかし、怪獣たちもこれまでの怪獣と比べるとだいぶ強い。
1体、相手にするだけでも苦戦しているのに、2体目、3体目、4体目と次々にギャラクシィマンに攻撃を放っていく。
「このままじゃ、負ける……。」
疲労の色が色濃くなってきた、ギャラクシィマン。
住民たちの表情も、絶望に凍り付いていく。
イライラした。
何もできない自分にも、簡単に期待して、簡単に絶望する住民たちにも。
「戦えないなら、逃げろよ!」
俺は、気が付くと大声で叫んでいた。
「たーだ立ち尽くして、何か変わるか? ヒーローがやられてるところを見て、絶望するだけじゃねぇか! 今のお前らに出来ることはなんだ? 逃げることだろ! 生きていれば、いつか必ず良いことがある。無駄死には美学じゃねぇ、馬鹿のすることだ!」
自分だって怖い。
絶望だって、とっくにしている。
それでも、俺は無力だということを死ぬ理由にしたくはなかった。
「地球防衛軍! 今こそ人類を守るときだろうが! どうせ死ぬなら、必死子いてから死ね――――!!」
今、集まっている隊員たちの中で、おそらく俺は一番階級が低い部類だろう。
緊急時でなければ、即除隊になるほどの無礼。
知ったことか。
死んでしまったら、失職も責任もないのだから。
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