それでも、君が好きだった。

君は、最近全然私との約束を取り付けてくれないね。

「デートしたい」って誘っても、

「ごめん。その日予定入ってる」ってさ。

私、知ってるんだよ。
君が私の誘いを断って、知らない女の子とデートしてること。
仲睦まじく手を繋いで、私とは行かなかった場所を巡ってること。
キスだってしたことも。

…私、知ってるんだよ。
君は、知らないって思っててもさ。

君の、殺風景だった部屋には、私のもの以外が増えてきて、君の趣味嗜好も少しずつ変わって言って、私を見ないようにして──