それでも、君が好きだった。

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電話かけるのなんて、いつぶりだろう。 最後にしたのなんてもう、覚えてないや。 コール音が鳴る。 静かな夜にはうるさいくらい心臓は高鳴る。 なのに、気持ちは冷静で、でも涙は出てくる。 「もしもし」 5回目のコール音で君が電話に出る。 優しかった声は、冷たかった。 「もしもし、」 寂しいな。 画面越しに聞こえてくる街の雑踏。 女の子の声。 時計の針が24時を指す。 こんなにも、悲しい2年目はない気がするよ。 「話があるの」 「なに?」 どうしたの、なんて言わないか。 「今日でさ、2年経ったんだよ」 「うん。それで?何?こんな時間にかけてきてさ。それだけ?」 あは、冷たいなぁ……
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