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もうすぐ18歳の誕生日が来る。この時をどんなに待ち侘びたか!
寝る前にベランダに出て麗と話すのが日課。俺の癒しの時間。
「リク、誕生日は何が欲しい?」
欲しいものなんて決まっている。毎年同じ事を言っているから聞かなくても分かるだろうに。
「麗が欲しい」
「大人になったらね」
毎年同じ返事。でも今年は違う。成人するから。俺は大人になる。この返事は麗を貰えるって事なんだろう。顔が熱くなり、ニヤけてしまう。
プシュー、と缶ビールを開ける音が響いた。麗は喉を鳴らして流し込む。話しながら麗はいつもビールを一本飲む。仕切り板があって顔は見えないが、幸せそうな顔をしている事が伺える。
「じゃあさ、1番におめでとうって言ってよ」
「そんなんでいいの?プレゼントは?」
「いい、麗が祝ってくれるのが1番のプレゼントだから」
「そうか、日付が変わったらすぐに言うよ」
「楽しみにしてる」
本当に楽しみで仕方がない。毎年大人に近づくようで楽しみだったが、今年は大人になれる年だ。
日付が変わったら麗に祝ってもらって、プロポーズするんだ。
「リク、明日も学校だから寝ようか?おやすみ」
「ああ、おやすみ」
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