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クラスの半分以上が集まってくれた。思ったより大所帯になった。
予定があるからごめん、と申し訳なさそうに謝る奴もいたが、当日に祝え、と無茶を言ったのは俺なのだから謝るのは俺のほうだろう。今日は馬鹿騒ぎして嫌な事全部忘れてやる!
この人数で騒いでも迷惑にならない所など限られていて、カラオケのパーティールームで祝われた。
歌ったり大画面でゲームをしたり楽しんだ。一緒に騒いでくれるクラスメイトがいてくれて良かった。
急な集まりだから19時には解散した。俺も家で好物作ってくれてるだろうし。
みんなと別れて歩いていると、鬱々とした気持ちに戻る。暗い道と静寂がよりその気持ちを煽った。
家に帰るとやっぱりご馳走が用意されていて、腹一杯食べた。夕飯をしこたま食べたのに、風呂から出たら小腹が空いて食べたケーキも美味しかった。
いつもベランダで麗と話す時間になると『今日は俺の部屋で話そう』と麗からラインが来る。既読にしてしまった。寝ていて気付かなかった、という言い訳が出来なくなる。
隣に住んでいるのだからずっと逃げてるわけにもいかないだろうし、今日すっぱりフラれてこよう。誕生日のたびに思い出すだろうが、時間が経てば風化していくだろう。
深夜にもらった未開封のプレゼントを上着のポケットに入れた。結局何だったのかも分からないが、これも返そう。
親に麗のところに行く事を告げ、隣のインターホンを鳴らした。
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