プロローグ

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   学校の手前の並木道には桜が並び、予報よりも少し遅れたおかげでまだ満開を保っているようだった。春の暖かい風に乗って、小さな花びらが空中を舞う。そのうちの一枚が、僕の胸元へひらひらと飛んで来て、僕は反射的にそれを掴むように握りしめた。 「あ」  その瞬間。  重かった足が縺れる感覚と共に、僕は、思い切り地面に転んでいた。  
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