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今日は部屋の片付けの続きをする予定だ。
粗方片付けたとはいえ、不要なものをトランクに押し込み、それぞれの部屋に荷物を振り分けた程度だ。ちゃんとベッドで眠れるし、キッチンでお湯も沸かせるが、本棚に詰め込んだだけの本はバラバラだし、衣装ケースは積み上がったままだ。決まった仕事をしていないジェイミーは、家でひとり過ごす時間が多くなるだろう。もっと居心地のいい空間を作りたい。ひとりの時間も慰めてくれるような。
買ってきた食料を仕舞い、ついでにキッチンから片付けをはじめることにした。
白いタイル貼りのカウンターキッチンにはウォールシェルフがついていて、よく使う食器や調理器具が収納できるようになっていた。
料理はほとんどしないジェイミーだが、調理器具は充実している。実家から持ち出した物もあれば、恋人だった『彼』が必要だと言ったので買い求めたものもある。
ジェイミーには何に使うかわからないものもあって、少し悩んでこれをトランクの中に仕舞った。
結局シェルフに並んだのは、ポットと中くらいの鍋ひとつ、白いシンプルな平皿と、マグカップがひとつ。本当は鍋すら使うことはないかもしれない、と思いつつ、ひょっとしたらパスタくらいなら自分で茹でることがあるかもしれない。
広々としたシェルフが随分と殺風景だが、使わない物をごちゃごちゃと並べても仕方がないだろう。
『彼』のお気に入りのワイングラスのセットは、これも少し悩んで、箱のままカウンターの下の戸棚に仕舞った。
昼は買ってきたレトルトを食べて済ませた。
サーモンのフィレに、フェンネルが効いたホワイトソースがこれでもかというくらい掛かっている。パサパサのピラフもセットになっていて、たっぷりのホワイトソースに絡めて食べたらなかなか美味い。次に買い出しに行ったとき、追加で買ってこよう。
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