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しとしとしと。雨ばっかり。
「あ〜あ。本当イヤになっちゃう……」
窓に貼り付いて空を見ても雨ばっかり。本当梅雨ってイヤ。後ろではお父さんとお母さんがいちゃついている。
「きっと空が母さんの可愛さに涙流してるんだよ〜」
「あら」
あれはいつものことだから気にならない。瑠璃お兄ちゃんは僕の横で一緒に外を見てる。
「雨だとにょんたんず集まれないし……。せっかく女体化してるのに……。瑠璃お兄ちゃんはなんで女体化しているの?」
「なんとなく? 翡翠が女体化していたら女体化したくなるじゃん? 翡翠が可愛いときは俺も可愛くいたいの。まぁ翡翠は女体化しててもしてなくても常に可愛いけどな!」
「そういうことは薫蘭風お姉ちゃんに言いなよ」
「そんなの言ってるに決まってるじゃん。いいか翡翠、俺は親父の血を引いているんだぞ?」
「……そうだね……」
何も言い返せない。僕も彼女とかできたらお父さんみたいになるのかな? 想像つかないけど。
「それより暇ーー! 何していいか分かんない! 瑠璃お兄ちゃんだったら何する?」
「俺? 俺は学生の頃は、てか女体化しだしてからだけど傘差して散歩行ってたな。なんかいつもと違う雰囲気の町を見るのも楽しいからね」
「そっかぁ。じゃあ散歩行こうっと」
「じゃあ一緒に行こうか。雨の日は危険がいっぱいだから」
「危険? 何かあるの?」
「にょたチョコ男子特有の危険があるんだよ。女体化大先輩の俺が教えてあげるよ」
「ふうん。まあ瑠璃お兄ちゃんがいるなら危険も心配ないか」
ってことで僕と瑠璃お兄ちゃんは傘差して散歩に出る。僕の傘はお気に入りの緑色。瑠璃お兄ちゃんは真っ赤な傘。薫蘭風お姉ちゃんからのプレゼントを大切に使っている。
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