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「おやおや。可愛いロリ巨乳の匂いに誘われてきてみれば翡翠くんじゃないですか?」
背筋が一瞬で冷たくなった。僕の目の前に突然自称ちょちょうが現れたからだ。更に自称ちょちょうに向けて瑠璃お兄ちゃんが蹴りを放っていて、自称ちょちょうは自慢のスピードでそれを避けた。
「いきなり蹴りは酷いじゃないですか? 私はただロリ巨乳の翡翠くんを触ってみたいだけなのですよ?」
「許す訳ないだろ? 翡翠は俺の宝なんだから」
なんかバトル漫画みたいになってきた。
「ならば力ずくです!」
自称ちょちょうはまた僕の目の前に現れる。
「ひっ」
僕は思いっ切り後ろに下がる。目の前に瑠璃お兄ちゃんの背中が見えた。
「ふん。お前みたいなへんたいが現れるのは予測済みなんだよ。危険な雨の日に翡翠を守れなくて何が家族だ!」
瑠璃お兄ちゃん……、雨の日の危険って本当にこういうことなの? マジ怖い……。
「ふふふ! 私はこのために十年スピードを鍛えまくったんですよ? ロリ巨乳を触れずしてなんの為の努力だと言うのでしょう!」
と言った瞬間、自称ちょちょうは吹っ飛んだ。で、また吹っ飛んで、更に吹っ飛んだ。
恐ろしいことにお父さんとお母さんがどこからともなく現れて自称ちょちょうをお母さんがぶん殴って吹っ飛ん自称ちょちょうをお父さんがぶん殴って、吹っ飛んだ自称ちょちょうを瑠璃お兄ちゃんが蹴飛ばしてを繰り返して、もう地獄絵図だった……。
「……今日のところは諦めます……。一家総出なんて酷い!」
自称ちょちょうは泣きながら自慢のスピードで消えていった。
「お父さんとお母さんはどうして……」
一応なんとなく理由は分かるけど聞いてみた。
「雨の日は危険だからな。本当にヤバいときのために親父と母さんにもお願いしておいた」
瑠璃お兄ちゃんは得意そうに胸を張る。てか、お父さんも攻撃力高いんだ……。気がついたらお父さんとお母さんは消えていた。
「これで二人も安心してデートできるだろうな。てか親父もパンチ力強いんだなぁ。昔、鉄の扉をパンチでぶち破ったから強いの知ってたけどなぁ」
「鉄の扉?」
「そうだよ。いつか翡翠にも教えてあげるよ。まぁ色々あったんだ。さあ公園行こうか」
「もう大丈夫なの?」
「多分ね。へんたいセンサーは反応してないから。あとは伊織先生だろうけど、あの人、雨降りは引きこもっているだろうから」
瑠璃お兄ちゃんが言った通りに雨の日は危険がいっぱいだったけど釈然としない。だって危険人物、みんな知ってる人なんだもの。
七月に続くよーー!
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