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当然の結末
ドンドンドンドンドン
「国家元首だか何だか知りませんが、ココは僕らの家の敷地だから誰を立ち入らせるかは、僕らに決める権利があるんですよ?家宅不法侵入罪って、政治屋にも有効でしょ?」
日本の偉い人を自称する総勢五人、うち二人がメガネだ、自身の身に何が起こったのかわからないままだろう、気持ち悪い作り笑いを浮かべたままで仰向けに倒れていった
脳漿とどす黒い血を撒き散らしながら
まあ、即死だろう
ウチも初めて見る、パパの抜き撃ち…
あの重たい.45口径の拳銃を抜く手も見せない上に全弾眉間のど真ん中を撃ち抜くなんて…
カッコ良すぎる…!普段冴香さんや秋さんの尻に敷かれているのが嘘みたいに!
「ああ、昔の癖でついやっちゃいましたねぇ…ま、いっか!サクラちゃんもお見事ですね」
自称偉い人どもが引き連れていたSPらしき連中は全員首筋にナイフが突き立って、こちらは鮮血を撒き散らしながら倒れていた
パパの言葉から察するに…サクラさんの神技なんだろう…ウチの目には何かが煌めいた事しか映らなかったけど
パパも凄いけどサクラさんも…
「お褒めのお言葉恐れ入ります…いえ、奥様への下卑な態度、並びにミスターダテへの高圧的な態度は、万死に値する…そう思った途端に身体が勝手に動いておりました…あとお褒めいただけるならこの子達にもお言葉を…」
サクラさんの両隣にいる小さなメイドさん、リリーちゃんとデイジーちゃんは未だその小さな両手にナイフを三本ずつ挟んでいる…一体何本持っているのやら
「リリーちゃんとデイジーちゃんにはスペシャルなお子様ランチをご馳走しますね!」
二人から歓声が上がり、パパにしがみついてる
良いな~、でもあれ以上にスペシャルなって…
いやそれよりも!
パパ、どうすんのよ?こいつらこんな怪しい連中だけど、どうせ大臣って名乗ってたんでしょ!それをSP諸共全コロは…不味くない?
「それなら大丈夫よぉ?」
目の前で起こった惨劇をモノともせず、コロコロと笑いながらミランダ様が答えてくれた
さっきスコープ越しに見えた無表情から転じてるのは…そう言う仕事を任されるからか
「ヒロシ様が引いた線からこっちは、スウェーデン大使館の別館扱いだからぁ♫」
は?
まあそれなら不法侵入で処理出来なくもないんだろうけど…冴香さんや秋さんが聞いたら卒倒しかねない、とんでもない事実…!
「このサクラ、英国に遅れは取りましたが、我が国の看板も立てさせていただきました故」
サクラさんの白魚のような左手が指し示す箇所には、確かに日本語を含む数か国語で「スウェーデン大使館日本国別館」と書かれた看板が…サクラさん達はスウェーデン王国勤めだからそうなるのか…って違う!
カ、カフェの営業はどうするのよ?
「その時はハルとシイと優花ちゃんに、モニターで人選してもらうしかありませんねぇ…」
ひ、他人事みたいに軽く…パパ!!
この死体の山どうするのよ!
実弾撃っちゃったんでしょ!
「シイナ様それならご安心を…私達メイドの仕事には「清掃」と「後始末」もございます故、お任せください」
見るとリリーちゃんとデイジーちゃんがちょっと前まで威張り腐っていた大臣らしきモノだった死体をポイポイと奴らの乗ってきたヘリコプターに放り込んでいた
いや、あまりにもドライ過ぎでしょ…
ウチとハルさんも似たような訓練を受けてはいるんだけどなぁ
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